夏のコーヒーと聞けば、真っ先にアイスコーヒーを思い浮かべる方も多いでしょう。
グラスいっぱいの氷に、熱いコーヒーを注ぐ。
パキパキと氷が弾ける音を聞きながら、冷たく締まった苦味を喉へ流し込む。
日本の蒸し暑い夏には、よく似合う飲み方です。
しかし、夏だからといって、冷たいコーヒーばかりが飲みたいわけではありません。
冷房の効いた部屋で、湯気の立つカップに手を伸ばすのも、こたつで食べるアイスさながら、一抹の背徳感が味を底上げしてくれます。
一日のなかで、暑さも体温も気分も移り変わる。
夏という季節は、案外、ホットとアイスの間を行き来するものです。
今回のサマーブレンドは、そんな夏のためにつくりました。
使用しているのは、ニカラグアとコスタリカ、二つの中米産のコーヒーです。
どちらも雑味を抑え、それぞれの豆が持つ香りや酸味を、明瞭に感じやすくするウォッシュト精製のコーヒー。
隣り合う二つの国で生まれ、同じ工程を経たコーヒーを合わせながらも、その目的は、個性を競わせることではありません。
ニカラグアとコスタリカ、それぞれの風味を重ねることで、香ばしさと軽やかさが共存する、夏らしい飲み口を目指しました。
焙煎度は、シティローストと呼ばれる中深煎りです。
口に含むと、まず広がるのは、砂糖の入っていない、純なココアを思わせる香ばしい風味。
ほどよい苦味を持ちながら、舌の上に重く残ることはなく、軽やかな後口へとつながります。
温かいまま飲めば、香ばしい香りがふくらみ、苦味の奥にある穏やかな甘みまで感じられる。
一方、氷を入れて冷やすと、味の輪郭は引き締まり、香ばしさと苦味がすっきりと立ち上がります。
ミルクを加えれば、苦味がやわらぎ、夏のカフェオレとしても楽しめるでしょう。
朝にはホットで。
暑さが増す午後には、たっぷりの氷を入れて。
温度が変わっても、香ばしさは失われず、その日の気分や空模様に合わせて表情を変えていきます。
夏を冷たさだけで乗り切るのではなく、温かな一杯も、ときには選びながら。
ホットとアイス、二つの楽しみ方を行き来できる、夏のためのブレンドコーヒーです。






